私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「ニュー・ワールド」

2006-05-13 21:35:04 | 映画(な行)


2005年度作品。
新大陸アメリカを舞台に、ディズニーアニメにもなったポカホンタスとジョン・スミスのラヴストーリーを描く。
監督は「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリック。
出演は「アレキサンダー」のコリン・ファレル。新人のクオリアンカ・キルヒャー ら。


何と言っても映像が美しい。その川の流れ、背景の平原、光差す太陽の映像。全てが叙情的で詩的である。
加えて劇中では対話よりも独白の方が多く、余計に叙情の雰囲気が出ていたように思う。

一方で、物語の方は映像と違い、叙事的なものになっている。新大陸アメリカに入植した白人と原住民の対立と愛情の交流という物語には雄大な雰囲気が出ていて心地良い。
物語の叙事と映像の叙情がうまい具合マッチした作品と僕個人は思った。その点はすばらしい。

だが、プロットそのものは平坦なくらいに淡々と進んで、盛り上がりには乏しい(戦闘シーンは除くけど)。それに映像が美しく、流れるように進んでいくために、どこにも心が引っかからず、物足りない、食い足りない感じが後に残ってしまう。
しかしこの雄大な世界の中で繰り広げられるパーソナルな感情のもつれの様はなかなか悪くない。世界観を楽しむだけでも充分満足できる映画だった。

評価:★★★★(満点は★★★★★)

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